今のGeForceから見る、RTX(旧QUADRO)シリーズとはなにか【結論:わからん】


こんにちはiCHiKAです。
この記事を書いたのはだいぶ前なので、少し時期遅れなのですが、
先日、NVIDIA RTX 4000 SFFが発売し、国内では約25万円になるとのことで、やはり高くなるかと感じました。
前世代のNVIDIA RTX A4000では14万円程度。性能向上も前世代から比べると、Geforceで言えば3060Tiから3070Ti程度と微妙なものとなっています。
同じ価格だったのなら手離しに喜べるのですが、円安とはいえ価格も大幅に上がっており、安いベンダーのGeForece RTX 4090が手に入ってしまうような価格です。
まぁ旧QUADROシリーズにコスパを求めてはいけないので、そもそも現世代で、旧QUADROとGeForeceに明確な差異があるのかを考えたいと思います。
また、Ada世代でワッパは間違いなく良くなっているので、
こちらも考慮したいところです。

GeForce編

近年のGeForceは様々な機能を搭載しています。
例としてはRayTracingが利用できるRTコア、DLSSが利用できるTensorコアを搭載しています。
ゲームにも大きな恩恵をもたらしますが、AIなどの機械学習が普及してきて、ゲーム以外の用途にも用いられるようにもなりました。
GeForce向けにGame Redyドライバーだけではなく、比較的旧QUADROシリーズのような調整に寄せたSTUDIOドライバーも提供されており、
一昔であれば「クリエーターや専門職はQUADRO」と言われてきましたが、
GeForceの最新最上位であれば、RTXシリーズ(旧QUADRO系)は不要では?という疑問が湧きました。

価格上昇の要因として、RTX世代からRTコア、Tensorコアの追加、強化があるからという指摘は野暮なのであらかじめ切っていきたいと思います。
まず初めに表から。

GTX960GTX1060 6GBGTX1660RTX2060RTX3060RTX4060
世代MaxwellPascalTuringTuringAmpereAda Lovelace
プロセスTSMC28nmTSMC16nmTSMC12nmTSMC12nmSamsung8nmTSMC4nm
CUDA102412801408192035843072
RT×××302824
Tensor×××24011296
クロック1126MHz1506MHz1530MHz1365MHz1320MHz1830MHz
メモリ容量4GB6GB6GB6GB12GB8GB
消費電力120W120W120W160W170W110W
価格199ドル249ドル219ドル349ドル329ドル299ドル

無理やりPascalに当てはめて比較すると
960<=1050<1060(6G)≒1660<1070<1070Ti<=2060<1080<3060<4060<1080Ti
くらいになるのではないかと思います。何度も言いますが無理やりなので、
どう足掻いても新しい世代のほうが、局所的に強いことが多いです。モノによっては8GBや12GBのVRAMもありますし。正確さを求めるのであれば他サイト様で実測レビューを見てください。
ちなみに2060よりほんの少し弱くてRT、tensorコアのないモデルである1660Tiは279ドルです。
70ドルしか差がありません。このころの為替は1ドル114円のため8000円ちょっと。
マージン込みで国内価格だと1万ちょっと変わりますが、当時私もRTコアやTensorコアについて知識がなく不要だと思っていたので、買うなら1660Tiでした。

前述したように2060と1660Tiでは70ドルしか差がないので、当時からAI利用やDLSS等を利用していれば、十分安いのではないかと思います。
わずかとはいえ2060のほうが単純性能も高め。
3060に至っては20ドル値下げの329ドル、4060では300ドルを切った299ドルです。
1060(6GB)比わずか50ドル増えただけで、1060とは比較にならないほどのパワーになっています。
ここがアメリカなら私は4060を「VRAM要領だけ目を瞑って」と激押しするのですがここは日本です。
最安で44,380円(2021/08/12現在)。台無しです。
とはいえ国内価格は頑張っていると思います。2021/08/12現在1ドル144円のため、43,000円ちょっとなので、1,500円未満しかマージンが載っていません。
円安がやばすぎて価格が微妙に見えるので販売店が頑張っている構図です。

2060が出た頃は、ReyTracing(以下レイトレ)とDLSSは対応タイトルが少なかったりして影が薄かったですが
今現在は対応しているタイトルもかなり多いです。
またDLSSは対応のグラフィックボードであれば、Tensorコアでフレームレートの補完ができるので、ほぼデメリットなしでフレームレートの向上に貢献できる素晴らしい機能です。
世代を追うごとにDLSSのバージョンが上がり、より恩恵を受けることになります。
高フレームを狙うのもいいですが、かなりきつく電力制限をさせて、60FPS安定をさせるためにDLSSを入れるという芸当もできるので、上位機種だと特定の用途以外では、消費電力通り使うとかありえないような時代ではあると思います。

様々な機能を搭載し、性能向上や用途拡大によってGeForceは進化してきました。
前述したとおり、これほどにまで強化されたGeForceにも敵わず、
RTXシリーズを用いなければならない局面があるのでしょうか。

そもそもGeForceとQUADROとの違いについて

古くから、QUADROは下記のような特徴があるとされていました。そこに今現在のGeFoeceでできる特徴を書き加えてみます。
・ECCの機能がある→3090や4090はECC利用可能
・10bit色深度に対応しているため、より原色の再現をしやすくなる(GeForceは8it)→GeForceも10bit色に対応
・クリエイター、サーバ向けソフトと互換性の保証がされている→GeForce向けにStudioドライバ提供
・OpenGLに最適化されている(GeForceはDirectXに最適化されている)→StudioドライバならGeForceでも動かせる。ただし同じくらいの性能の両者でどのくらい性能が変わるかは不明。
・GPUダイが選別されている(イメージとしてはノート向けの低電圧で高クロック動くもの)。
このあたりではないでしょうか

単純な性能比較
NVIDIA RTX 6000 AdaNVIDIA GeForce RTX 4090
VRAMGDDR6 48GB ECCGDDR6X 24GB ECC
メモリバンド幅960 GB/s1008 GB/s
CUDAコア18,17616,384
RTコア142128
Tensorコア568512
最大消費電力300W450W
価格6,800ドル1,599ドル
(参照元:GDEP)

10%程度各コアがRTX 6000 Adaのほうが多いようです。
また上位のQUADROシリーズでは恒例のことですが、
RTX 6000 AdaのVRAMはECCが搭載されています。
このVRAMは訂正可能なエラーを訂正できる役割を持っていて、
訂正可能エラーを放置すると、いずれ積み重なって重大なエラーを引き起こす可能性があるので、それを解消する目的で使用されます。
例えば十数時間程度のレンダリング作業となると、ECCのほうが信頼性が高いから、適しているということになります。
少なくとも4090とRTX 6000 Adaではメモリ周りは世代と容量しか違いはありません。
さらに言えば、仮にECCの機能が利用できてもゲーム用途ではECCを入れてしまうとパフォーマンスが低下します。

NVIDIA公式サイトを見るとさまざまな企業、ソフトウェアと連携している点がポイントとなっております。
これは昔から言われているところですね。
NVIDIAだけでなくAMDのRADEON PROも、このあたりを強調しています。
クリエーター、サーバー向けなら謳うところですね。
元も子もない話をすると、それほどの資本力があれば、自社のソフトウェアを使用している可能性も否めないので、このあたりが不明瞭で、実際どれだけ恩恵があるか分かりづらいところです。

どれほどの人が気になっているところかはわかりませんが、必要とあればGDEPや、HPE、NVIDIAさんのほうにお話し伺ってみたほうがよさそうです。

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