AIが持つジレンマ


こんにちは、iCHiKAです。
みなさんもAI、きっと使ってますよね。
自撮りをアニメ風にしたり、言葉でイラストを生成したり。
転職サイトやカスタマーサポートでWebチャットもAIで使ったことがある人もいるはず。

プログラムのコードや論文も書けるChatGPT、イラストがかけてしまうStable Diffusionなどその他諸々。
AIのみでBGM、演者まで作成して動画ができてしまいますし、
TwitchではOSU!(リズムゲーム)を実況プレイするAIのストリーマーまで登場しました。
人間がAIに勝てない時代になってきたか…と多方面から聞こえてきますね。

しかしAIには致命的なジレンマが存在します。
AI技術に詳しい人も詳しくない人も一緒に考えてもらえればと思います。
本ページでは少しでも興味を持ってもらいたいのと、執筆労力を減らしたいので、専門的な話はせずざっくり「これってどうなの」という感じで書かせていただこうと思います。

AIとはなにか

人工知能ですよね。流石にわかりますね。
ただ、一言でAIと言ってもそのままで使えるわけではなく、使えるようにするまでにいくつかのステップがあります。
1、大量のデータを解析してトレーニングする
2、トレーニング結果を用いて、何かを作る
(3、すごい人が上記1、2のプログラムを書く)
(4、すごい人が一般の人が使えるように公開する)
です。特に3、4が個人的には難しいんですが、本質は1、2にあります。
AI(の作るもの)とはコンピュータに事前に学習させたデータ(人が作った物)から結果として物を作ります。
つまりトレーニングを一切させないで何かを作ったり分析することは今のところ不可能です。

問題は、「じゃあ大量のデータはどこから…?」というところにあります。
大企業だったりお金持ちなら、大量のデータは入手できます。
おそらくこの時点でちゃんとお金を払えてるなら利権問題は大丈夫….とここでは仮定しておきましょう。
しかし無料で利用できる範囲で、となると入手経路は限られますよね。
インターネットです。
インターネット上では著作権、肖像権の有無や利権の使用範囲関係なしに膨大な量のデータ、画像が手に入りますよね。
悪い言い方をすれば、AI学習としては「うってつけ」なのです。
自分のみが私的に使う+お金を1円も入手しないって言うならまぁアウトですが、寛容な権利者もいると思います。
誰かに見せる、インターネットに公開する、1円でも収益になる
そんな場合には完全にアウトですよね。
インターネットの画像やデータを無断で利用することは、権利として違反していて、場合によっては違法で、訴訟になる可能性もあります。

話は少し逸れますが、最近だとTwitterでは”AI絵師(AI技師)”に絵師が「絵をパクられた」と構図が同じ絵が上がっていて、確かに絵師さんのほうが投稿日早い、なんてことがあります。
他にも海外ではAI学習用のデータが流出した際に「私の画像がある」と訴訟になったケースもあります。
こういう言い方は良くないかもしれませんが、
今回の話の中では「訴訟できたならいい」ほうです。
それが我々だったり、訴訟を起こしたくても時間やお金がない人とかの場合に考えて行きたいのが本題です。

処罰されなかったりマイナスイメージがつかなければセーフ?

今回のメインテーマはこれです。
無断でデータや画像を利用されたら訴えればいいのですが、実際には被害に遭った方が訴訟するのはなかなかなことだと思います。
そうでなければ大抵は、一時的とはいえ弁護士費用負担の他、時間もかなりかかるので敬遠されてしまうのではないでしょうか。
他にも、よくあるパターンだと、
めちゃめちゃ長い利用規約で一番下とかに「本サービス利用の際に提出したデータ、写真は弊社の他のサービスでの利用でも利用します」とか書いてあって、
別のサービスとして別のAIのトレーニング用のデータになったり。
これだと、本当に弁護士に相談しても勝ち目がないかもしれません。
つまり「処罰されない、できない場合においては著作権、肖像権を保護できていない」ということになってしまいます。
もちろん”ほかサービスで”の件は一応は同意を得ていることになりますが、
ただ同意者が読んだ上で同意している前提としてはあまりにも実際に機能していないので、これはこれで問題とします。

逆に、肖像権や著作権を固める方向で考えてみましょう。
訴訟費用を負担してくれるとか、法改正とか。
これなら我々も安心して創作活動や、個人情報の漏洩の心配もなくて済みます。
ただしそうなった場合にはもれなく今度はAI開発には多大なコストが発生することになり、
個人での開発はもはや難しくなるかもしれません。
つまり。今の状態は、
AIの学習に膨大なデータが必要だが、すべてに対して権利者の同意を得ているとは限らない。しかしすべての権利者から同意を得ようとするとAI分野が発展しない。

利用者、開発者、全員の一人ひとりの意識が大事

利用者も「うかつに同意しない」
開発者も「権利者に最大限の配慮をする」
また法律面も「どちらを尊重するか」ではなく、
「どちらも共存する」法律になっていかなければ、
果てにはAI開発が人権を脅かすか、
AI開発が衰退するかになってしまいます。
AI産業でも二の足を踏んでしまったら、更にIT産業で日本が衰退することが加速してしまいます。
法律は破れば罰則がありますが、
かと言ってその法律がリアルタイムで適した法律とは限りません。
だからといって破ってはならないものですが、
技術者も利用者も、全員が考えていかなければならないことです。

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